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2020/06/1320/06/13 大楠に魅せられて
末広北の写真家蔭地さん
公募写真展も開催
大楠に魅せられて―。鈴鹿市末広北2の写真家蔭地敏男さん(68)は、長太地区にそびえる樹齢1000年といわれる長太の大楠と雲景色に魅了され、年の半分以上を撮影に費やしています。「地元ならではの景色で、他人が撮れない写真を撮る努力をするという自分流を貫けば、何かが見えてくるのではと思い、撮り続けています」
フィルム時代から写真に取り組んでいましたが、仕事との両立ができず、定年5年くらい前から、デジタルの画質がフィルムに迫るようになったのを機にデジタル一眼レフ機を購入し、写真を再開しました。
定年を機に妻の実家がある同市に転居。2012年、市役所で開催されていた『大楠の写真展』を観覧。市内に大楠が在ることを知りました。
同年の6月から同地区で夕景の撮影を始めました。ほぼ毎日通ううちに、空一面が真っ赤に焼ける夕景に何度も出合い、魅了されることに。16年くらいから夕焼けが見られる確率が下がっていき、朝の景色にシフトチェンジしていきました。
「大楠のそびえる場所は、鈴鹿平野を360度見渡せる所にあって、どの方向からも邪魔な人工物が入らない景観を、容易に撮影できるのが最大の魅力です」
16年、モスクワ国際写真賞で佳作賞、17年にJPS(日本写真家協会)公募展優秀賞を受賞。翌年には写真雑誌主催の風景写真のグループ日本一を競う『TCC2018長野』に出場し優勝、東京・大阪のオリンパスギャラリーで優勝記念展も開かれました。
来月、大楠周辺の景観的価値の保護、樹木自体の保護意識の向上などを目的に『大楠が見える風景展』と題した公募写真展の開催を計画しています。
「8年以上も撮影を続けていると、木そのものの衰えや周辺景観や環境の悪化に気付きます。写真を通して、貴重な環境を守る必要性への理解を深めていただければ。今は自分が撮りたいものを撮っているだけですので、感動を呼ぶ作品が撮れるように精進していきたい」
蔭地さんの4回目の個展は、同市神戸2の和カフェ埜菴で7月末まで開催中。公募写真展の問い合わせは電子メールny7t-ooj@asahi-net.or.jpへ。