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2020/04/25藤原岳固有種など掲載

初の体系資料『いなべ市の植物』刊行

いなべ市が2006(平成18)年から始めた植物調査の結果をまとめた『いなべ市の植物』をこのほど刊行しました。市内に生育する植物を、体系的にまとめた資料が作られたのは今回が初めて。
調査および執筆は、市から委託を受けた日本植物分類学会会員、加田勝敏さん(77)〓四日市市楠町南五味塚〓が担当。市内の山や人里の草花に加え、環境の変化により今では見られなくなった植物も、大学や博物館、加田さん個人が所有する15万点以上の標本から調べ上げて掲載。約2950種が収められています。
同書はシダ植物と種子植物、裸子植物と被子植物といった従来の分け方とは異なり、『APG分類』と呼ばれる、DNA解析に基づいて分類された体系で記されているのが特徴です。
約5年間の執筆期間中にも次々に最新の研究成果が発表され、藤原岳のみに生育する固有種で、従来『オオホタルサイコ』と呼ばれていた花は『フジワラサイコ』として新種認定されました。他にも、鈴鹿山脈の特産種『スズカボタン』、『コトウカンアオイ』が編集中に新種認定されるなど、最新の資料を元に校了直前まで加筆修正がなされました。
加田さんは「DNA解析をはじめとする新たな知見はどんどん更新されていく。この本が、今後いなべ市の植物について調べる人たちのたたき台となることを期待したい」と話しています。
1冊5000円(税込み)で販売。いなべ市藤原文化センターで取り扱っています。
〓(46)8488同センター。

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