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2024/08/1024/08/10 新後継者紹介桑員レガシー13

炭焼きうなぎ新栄 山下陽平さん
伝統の味守るも次代に合わす

 伝統を受け継ぎながら新たな発想を盛り込み、文化やビジネスなどの分野で尽力する人を紹介する特集『桑員レガシー』をお届けします。第13回は、桑名市和泉の飲食店炭焼きうなぎ新栄の山下陽平さん(40)を紹介します。
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 後継のきっかけは―
 祖父が1948(昭和23)年に鮮魚販売店魚城を創業し、私で3代目となります。自営業ですので、幼少の頃から家族の生活の中心に、魚城の存在がありました。子どもの頃は特段、家業を継ぐ強い意志や「絶対に嫌だ」と思うこともありませんでした。ごく自然な居場所として過ごしており、祖父や両親からの強い要求もありませんでした。桑名北高校卒業後、調理専門学校に進む頃から、本格的に料理と向き合い、飲食店でのアルバイトや学校からの研修などで料理の道へと入っていきました。卒業後、当時はたくさんの職人が在籍していた弊社へ就職し、現在に至ります。最近では料理だけでなく、経営も父とともに取り組んでおります。
 やりがいや苦労している点は―
 飲食業界を取り巻く環境はとても幅広く、移り変わりも激しいものであります。祖父の代からでは考えられない経営方法や調理技術もたくさんあると思います。時には父と意見が合わないことも。しかし、商売の基本は変わっていないと確信しております。
 祖父の代よりごひいきにしてくださるお客さまも多く、変わらずに守るもの、時代やニーズに合わせてうまく変化していくこと、とても難しく悩む点でもありますが、そこに挑戦する日々は非常に毎日やりがいを感じております。多くのお客さまに喜んでいただけるように頑張ってまいります。
 工夫している点は―
 昨今の飲食店の運営において非常に大事な部分であるSNSでの情報発信や、ニーズの変化への対応、私自身もお客さまの気持ちになり、どのようにしたら選ばれる店になるか、よりご満足いただけるかを意識してアンテナを張っております。はやりに流され過ぎず、かつ柔軟に変化対応できるように努めています。うちでしかできないサービスや商品で強みを出していきたいと日々考えております。
 今後の目標は―
 これから先も変化の激しい業態ではあると思いますが、一つ一つ丁寧に、真摯(しんし)に取り組み、これまでの歴史を守りつつ100年企業を目指してまいります。全国各地、各国から伝統の味を楽しみに桑名へ訪れてもらえるお店にしていきます。

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