ホームニュース
2024/05/1124/05/11 新後継者紹介桑員レガシー11
花乃舎 水谷幸平さん
和菓子で幸せな時間を
伝統を受け継ぎながら新たな発想を盛り込み、文化やビジネスなどの分野で尽力する人を紹介する特集『桑員レガシー』をお届けします。第11回は、桑名市南魚町の和菓子店花乃舎の水谷幸平さん(39)を紹介します。
◇
後継のきっかけは―
大学生までは家業を継ぐということについてよく考えておらず、一般企業に就職するつもりでした。両親から継いでほしいと言われたことはなかったです。ただ祖父母や親戚は口に出しませんが、当然継ぐと思っていたと思います。大学3年になり、働くということや今まで育った花乃舎について考えた際に、継ぐ方が自分、家族にとっても良いのではないかと考え、実家へ帰ることに決めました。
やりがいや苦労している点は―
やりがいは弊社のお菓子を食べてくれた人が『おいしい』と思って幸せな気持ちになってくれることです。お菓子を囲む時間が少しでも、幸せな時間になるといいと思って作っています。苦労としては和菓子作りは手間がかかることです。作ろうと思ってすぐにできるものではなく、和菓子を作る技術はある程度練習の期間が必要な業種ですので、生産量や生産効率を著しく上げることが難しいと感じています。
機械化するとできる量は増えますが、今の質を保つのは難しく、受け継いできた技術で作ることに、私自身が価値を感じているのでできる限り人の手でと思っています。商売なので利益を上げるのは大切ですが、伝統を守ってつないでいきたいと思っているので、季節や行事のお菓子は売れる売れないの関係なく作り続けています。
工夫している点は―
伝統は大切ですが、固執せず、作る和菓子がおいしくなることが大切だと考えています。受け継いできた技術や知識、意匠、味などについて、自分なりに変えてはいけない点と変えるべき点を考えながら作っています。
今後の目標は―
もっと多くの人に当店の和菓子を食べて、知ってもらいたい。おいしいことは当然ですが、意匠の季節感や行事に使われてきたお菓子の歴史などを感じて、花乃舎の菓子だけでなく、和菓子っていいなと思っていただければ。さまざまな場面で和菓子を使いたい、食べたいと思う人を増やしていきたいです。