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2024/03/0934/03/09 新後継者紹介桑員レガシー⑨

88FARMの伊藤さん
農業の苦楽伝えたい

 伝統を受け継ぎながら新たな発想を盛り込み、文化やビジネスなどの分野で尽力する人を紹介する特集『桑員レガシー』をお届けします。第9回は、いなべ市北勢町南中津原の農業88FARM代表の伊藤隼人(42)を紹介します。
    ◇
 後継のきっかけは―
 3代続く農家でしたが、私は工作機械製造会社に勤めていました。20年ほど前、父が大病を患い入院中に、会社勤めをしながら田んぼの手伝いをしていました。父から後継ぎの話はなく、自身も継ぐつもりはありませんでしたが、外で働く事の気持ち良さや機械に乗る楽しさに魅了されて翌年、就農を決断しました。
 やりがいや苦労している点は―
 農業は天気に左右されるので毎日、天気予報とにらめっこです。毎朝の田んぼの水管理や夏の草刈りなど大変ですが、お米を買っていただけるお客さまに「おいしい」と、散歩している方に「田んぼがきれいやで、散歩していて気持ちがいい」と言われると、作物だけではなく、景色も作ってるんだと思うと面白いですね。
 工夫している点は―
 普段の仕事に少し面白さを出そうとしています。コシヒカリの品種改良種『ミルキークイーン』を使い、米本来の甘みと風味が楽しめる甘酒『あまさけと』を開発し、今年から売り出しました。他に3種の赤米と緑米、紫黒米、うるち玄米、餅白米をブレンドした『虹色米』、赤米の穂をドライフラワーにした『ドライ稲穂』、炊くとポップコーンのような香りがし、パラパラだけどモチッとした食感が味わえ、カレー、チャー飯などに合う日本型のバスマティ米『サリークィーン』の栽培、販売もしています。自分が作った特徴あるいろいろなお米を皆さんに食べていただきたく、折り込みチラシの広告を出したり、インターネット販売もしたりしています。
 今後の目標は―
 1年を通した農業体験に遊びをプラスしたものなどをやっていきたいです。例えば、泥んこ遊びやドライ稲穂のしめ縄作りなど、農業の楽しさ、面白さ、難しさを伝えつつ、地域貢献をしていきたいです。

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