小寺商店の吉澤さん
新旧の思い両立を

　伝統を受け継ぎながら新たな発想を盛り込み、文化やビジネスなどの分野で尽力する人を紹介する特集『桑員レガシー』をお届けします。第７回は桑名市西方の青果卸売り・プロパンガス販売会社小寺商店代表の吉澤由起さん（47）、取締役の鈴木志穂さん（42）、同役の松下千香子さん（49）の３姉妹を紹介します。
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　後継のきっかけは―
　由起さん（以降由）　２０２１年に先代の父が病で亡くなり、姉妹３人で跡を継ぐことにしました。生前、妹とお手伝いはしていましたが、父から跡を継いでほしいとの話はなかったです。長くお付き合いのある取引先さまに対して、これまでの小回りの利くサービスを大切にしてきた『小寺商店』を継続し、時代のニーズに合わせた新しい『小寺商店』の両立を、できる限り自分たちでやろうとの使命感で始めました。
　やりがいや苦労している点は―
　千香子さん　会社の軸となる父が居なくなり、経営の根幹も分からない手探り状態でしたので、３人がぶつかり合うことも。父の残してくれた人脈のおかげもあり、フォローをしていただいている取引先さまからの応援の声、３人を見守ってくれている母の姿が私たちの原動力となっています。
　由　早朝の市場での青果の仕入れも、ノウハウが分からないままで、なかなか良い商品を入荷することができず、業界の厳しさを痛感しました。今は仲買人さんとのコミュニケーションが増えたことで、良い商品の情報をいただけるようになりました。
　工夫している点は―
　志穂さん　地元に特化し地物の野菜や果物を事業所さまへお届けするサービスを開始しました。ＳＮＳのインスタグラムにも力を入れていこうと思います。インスタグラムは『ｋｏｄｅｒａｓｈｏｐ』で検索してください。働き方改革ではないですが、従業員さんのために、日曜休みのみから、水曜、祝日の休みも増やしました。
　今後の目標は―
　由　規格外の野菜を使ったスープ、スムージーをマルシェなどで販売できたら。住宅街にある商店ですが、皆さまに知ってもらい、助けていただいた皆さまのためにも、長く続けていければと思います。