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2023/11/1123/11/11 新後継者紹介桑員レガシー⑥

清花園の城田斎清さん
大切な日に寄り添いたい

 伝統を受け継ぎながら新たな発想を盛り込み、文化やビジネスなどの分野で尽力する人を紹介する特集『桑員レガシー』をお届けします。第6回は桑名市増田の生花販売店清花園の城田斎清さん(28)を紹介します。
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 後継のきっかけは―
 桑名西高、名城大学と進路を選択する際に、何度も頭に浮かんできたのは会社のことでした。両親からは「継ぐことは考えなくてもいい」と言われてきましたが、思えば小さいころから周りに「後継者」という目で見られて生きてきたなと感じます。
 一番のきっかけは大学在学中に花の専門学校があることを母から知らされたこと。大好きな祖父から続いている会社がなくなるのも寂しいと感じ、「花」の道に進むことを決めました。学校では同じ夢を持った人がたくさんいて、今でも仲間の活躍に刺激を受けながら成長できるいい関係を築いています。
 やりがいや苦労している点は―
 花屋の仕事は、お客さまの大切な日に寄り添う仕事でもあります。冠婚葬祭から誕生日や御祝い事などの特別な日のプレゼントとして用意する方もいますので、大切な時間に自分が関われることをとてもうれしく思っています。
 何かあった時のストーリーを刻んだり、思いを込めたりする使い方もあります。花の専門家フローリストとして、日々、お客さまの思いに触れながら、近い距離で仕事をすることにやりがいも感じています。
 近年、気温が高すぎて、花がすぐにダメになってしまいます。朝に水をやっても、夕方もう一度あげなければいけません。店舗の在庫が多いので管理が大変です。ですが花も生き物です。それぞれ特性があり、新しい品種もたくさん出てきます。日々勉強しながら花と向き合っています。
 工夫している点は―
 花は生き物で食べ物と同じようにどうしてもロスが出ます。業界でも大きな問題ですが、弊社ではドライフラワーにすることでロスを減らしています。店の天井にドライフラワーをつった『天井じゅうたん』をディスプレーしています。
 花き業界で問題となっている「若者の花離れ」、私自身も小さいころから、花を触るような機会があまりなかったと感じています。そのため花育事業に積極的に参加し、今の子どもたちに花のことを知ってもらえるよう出前授業などに取り組んでいます。
 今後の目標は―
 花屋は小売店の中でも少し変わっていて、会社だけではなくフローリスト自体にもファンがつく仕事だと私は感じています。弊社は来年50周年を迎えます。お客さまのニーズに応えるため、日々勉強というのは当然として、自分やスタッフの成長、次世代の育成も100周年に向けて、とても大事です。まだ業界からすると若輩者ですが、自分自身、花の競技会や花に関する事業への参加をこれからも続けて、スキルアップにつなげたいと考えています。桑名市にはたくさん良い花屋さんがありますが、桑名の花屋と言ったら『清花園』と言われるようにこれからも奮闘していきます。

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