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2023/05/1323/04/08 新後継者紹介桑員レガシー①

材木に新たな命吹き込む
ダイマルの西塚卓郎さん

 伝統を受け継ぎながら新たな発想を盛り込み、文化やビジネスなどの分野で尽力する人を紹介する特集『桑員レガシー』をお届けします。第1回は桑名市参宮通の住宅資材卸売業ダイマルの西塚卓郎さん(34)を紹介します。
    ◇
 後継のきっかけは―
 就職活動をする際、祖父や父に会社の今後をどうするかを聞きました。「継ぐことを考えなくてもいい」と言われ、一切継ぐ気はありませんでした。8年前に他界した祖父の三回忌に父から創業70年と聞き、自分が継いだら100年超えると感じました。70年続いてきた会社がなくなるのも寂しく思い、本能的に継ごうと思い、翌年入社しました。
 やりがいや苦労している点は―
 新事業として、捨てられてしまう木や使われなくなった家具の救出(引き取り)をし始めました。大事に使ってくださる人につないだり、別の用途の物に作り替えるアップサイクルをしたりしています。喜んでいただける人も多く、必ず続けようという力になっています。
 新事業はすぐに大きな利益につながらないので、本業とのバランスが難しいです。会社を存続させる目的は一緒ですが、父とやり方、新事業に対する考え方などが合わなく、なかなか進まないこともあります。
 工夫した点は―
 4年ほど前に桑名商工会議所主催の『後継者塾』に参加して、心構えや経営に関して勉強しました。いろんな人にたくさん会って、多くの話を聞くようにしています。異業種から家業に入ったので、全く業界の知識がなく、聞くしかなく、固定概念もなかったので、小さな疑問に気付けてます。また他業種や跡継ぎ仲間から、いろいろなことを吸収し、いい部分は取り組み、コラボにもチャレンジしています。
 今後の目標は―
 まずは、古材や古家具、古道具の循環を目指しています。思い出の詰まった物だからこそ、本当は捨てたくはないけど、捨てるしかないところに新たな選択肢ができればと思います。その人には不要な物でも、別の人には必要な物になるので、本当のゴミは少ないと思っています。
 私たちだけでなく、地域全体が儲からないと継続性がなく、お金、仕事も人も循環していかないと思っていますので、新たなエンドユーザーさんたちと地域をつなぐハブにもなりたいです。さらに、大工さんの減少や空き家の増加の問題にも取り組みながら、その先に、100年目が見えてくれば良いと思います。

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