みえーる

2026/07/0626/07/06 VISON産カカオがショコラに 三重発、5年のチャレンジが結実

 多気町のVISONで栽培された国産100%カカオを使ったチョコレートが6月24日、お披露目されました。5年にわたる栽培・研究の末に完成したもので、パティシエの辻口博啓シェフが板チョコレートと生クリームを混ぜ加えたボンボンショコラの2種類に仕上げました。
 取り組みの背景にあるのは、「カカオショック」と呼ばれる気候変動などによる世界的なカカオ供給の不安定化です。国内での栽培の可能性を探る研究プロジェクトとして、VISON、松阪市の辻製油、辻口シェフの三者で始動。
 VISONが施設を提供し、辻製油が栽培・発酵・乾燥を担当。辻口シェフが焙煎や製品化を手掛け、日本では珍しいカカオの栽培から収穫、発酵、チョコレート製造までを一貫して行う「FARM to BAR(ファーム・トゥー・バー)」を進めてきました。
 「カカオハウス」と呼ばれる栽培・研究拠点のビニールハウスは広さ約225平方㍍。香り豊かなクリオロ種や苦み・渋みが強いフォラステロ種など3品種、23本のカカオの木が生い茂るハウス内は温度約25~40度、湿度70%以上を保ち、栽培に適した熱帯環境を再現しています。
 栽培を開始したのは2021年7月。開花後に結実するのは1~3%程度とされる非常にデリケートな植物ですが、同施設では20~30㌢ほどに育った実を22年7月に初収穫しました。
 収穫した実は一つ一つに番号を付けて管理。実から取り出し発酵させた豆は本場と同じように天日で乾燥させました。成熟度や収穫時期、発酵条件などを検証しながら研究を重ね、総量9.4キロのカカオ豆を確保し、ようやく焙煎できる量にたどり着きました。
 辻製油の担当者は「東海エリアで育ったカカオがチョコレートになるとは当初は考えられなかった。まだ分からないことが多く、さらに研究を進めていきたい」と意欲を見せました。
 今回完成したチョコレートにはこれまで収穫した464個のカカオを使用。焙煎をやや浅めにすることで、フルーティーでほのかな酸味を持つカカオ本来の味わいを引き出しました。
 「国産カカオは可能性に満ちています。三重ならマイヤーレモンや伊勢茶と一緒に発酵させることで、地域の個性を生かしたチョコレートができるでしょう」と辻口シェフ。
 辻製油副会長の辻利文さんは「できないことに取り組むのが弊社のポリシー。人まねではなく、われわれだからこそできるものをと取り組んできました。5年間の成果を発表できて感無量です。これを機に国産カカオに興味を持ってもらえたら」と期待を寄ています。
 完成したチョコレートは今後VISON内で販売される予定です。

 

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